業界ニュース

【2026年10月第4週】PT・OT法、約60年ぶりの抜本改正へ議連にWG

国会のリハビリテーションを考える議員連盟に、PT・OT法の改正と養成制度を検討するワーキンググループができ、初会合が開かれました。あわせて、介護報酬改定に向けた訪問リハと訪問看護ステーションのリハ職の論点を、一次資料つきで整理しました。どれもまだ方向性や対応案の段階で、決まったことではありません。各ニュースの「起こりそうな変化」は現時点での見立てです。

2026年10月22日 初会合(リハビリテーションを考える議員連盟)

01PT・OT法、約60年ぶりの抜本改正へ|議連に「法改正・養成制度ワーキンググループ」

リハ職の仕事を決めている法律の、見直しに向けた話し合いが始まりました。

国会議員でつくる「リハビリテーションを考える議員連盟」の中に、法改正・養成制度ワーキンググループ(WG)ができ、10月22日に初めての会合が開かれました。

WGの顔ぶれ

  • 座長は小川克巳参議院議員(理学療法士)
  • 議員8名に加えて、厚生労働省医政局、参議院法制局が参加
  • 日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会も参加

なぜ今、見直すのか

理学療法士及び作業療法士法ができたのは1965年(昭和40年)です。それから約60年、抜本的な見直しは行われていません。

取材記事によると、座長は、高齢化や人口減少、AIの広がりなど、法律ができた頃には想定されていなかった状況への対応が必要だと説明しています。理学療法士の国会議員が2名いる今が、見直しの好機だという考えも示しました。

WGでは、今の法律と現場の間にある課題を整理し、これから求められるリハビリテーションに対応できる法制度と養成制度の形を検討していくとしています。

初会合で方向性を共有した段階で、何をどう変えるかはまだ決まっていません。名称独占や業務の範囲など、具体的な論点はこの時点では示されていません。議員の投稿は冒頭部分のみ確認でき、会合の詳しい内容は取材記事によります。

🔭 起こりそうな変化

法律ができた頃、リハビリの場所はほとんどが病院の中でした。今は訪問、通所、地域包括支援センター、そして刑務所まで、働く場所は大きく広がっています。法律と現場の間の距離を、国会の場で整理し始めたこと自体が大きな一歩です。何がどう変わるかはこれからですが、今、現場でやっていることが、これからの法律の形を決める材料になっていくはずです。WGの議論がどう進むか、注視していきたいところです。

前の号:リハ職を自治体に置くという提案

【2026年9月第3週】リハ職を「どこに置くか」が動いた週 →

2026年10月19日 開催(第271回 社会保障審議会 介護給付費分科会)

02訪問リハ、事業所の医師による診察を基本に|診療未実施減算は20.8%から11.0%に

訪問リハで、誰が診察してリハビリの指示を出すのかが論点になりました。

今の仕組み

訪問リハは、事業所の医師の診察をもとに行うのが原則です。事業所の医師がやむを得ず診察できない場合は、別の医療機関の医師が診察すれば、単位数を下げて算定できる仕組みがあります(診療未実施減算)。

  • この減算で算定している割合 20.8%(仕組みができた時)→ 11.0%(現在)
  • 減算で算定している利用者のうち、リハビリテーションマネジメント加算も算定している割合 27.7%

減算で算定している理由には、「事業所の医師の診療時間の確保が難しい」などが挙がっています。別の医療機関の医師に求めている研修も、受講が進んでいないという課題があります。

厚労省が示した対応案

  • 事業所の医師が対面で診察できない場合の、オンライン診療の使い方を明確にする
  • 猶予期間を置いたうえで、事業所の医師の診察による訪問リハを基本にする
  • 猶予期間中は、減算で算定している場合にリハビリテーションマネジメント加算を一緒に算定できないようにする

ほかの論点

通所リハと同じく、訪問リハでも計画や実施内容は筋力増強と歩行が中心で、生活の動作や家事は一部にとどまっていました。家での活動や参加を目標にした計画を、リハビリテーションマネジメント加算の要件として明確にする案も示されています。退院前カンファレンスに参加している事業所は29.2%(老健の退所前は27.6%)で、退院時共同指導加算を老健・介護医療院からの退所にも広げる案が出ています。

分科会で示された「対応案」の段階で、決まったことではありません。

🔭 起こりそうな変化

医師が利用者さんの状態をきちんと見たうえで、リハ職が関わる。訪問リハの形が、医療とのつながりを強める方向で整理されていきそうです。事業所によっては医師の体制づくりが課題になるかもしれません。一方で、訪問は生活の動作に一番近い場所にいる仕事です。家の中での動作や活動を組み立てる力は、これからますます求められていきます。今学んでおけば、無駄にはならないはずです。

訪問で働くとき、事業所によって違うところ

病院から訪問リハへの転職|体験者のリアルな声と、転職で押さえたいコツ →

2026年10月19日 開催(第271回 社会保障審議会 介護給付費分科会)

03訪問看護ステーションの理学療法士等の訪問、提供体制や実績を踏まえた評価の見直しへ

訪問看護ステーションで働くリハ職の訪問も、論点になりました。

訪問看護ステーションの理学療法士等による訪問看護は、これまでの改定でも見直しが重ねられてきました。今回、厚労省は次の対応案を示しています。

訪問看護ステーションの理学療法士等による訪問看護について、訪問看護の役割を踏まえたサービスを適切に評価する観点から、サービスの提供体制や実績等を踏まえた評価の見直しについてどのように考えるか。

=事業所の体制や実績に合わせて、評価のしかたを見直す方向。具体的な中身はこれから

対応案の段階で、評価が上がるのか下がるのか、どの事業所が対象になるのかは示されていません。

🔭 起こりそうな変化

訪問看護ステーションは、リハ職が在宅で働く大事な場所のひとつです。看護師との連携や、事業所としての体制がこれまで以上に問われていくかもしれません。訪問看護ステーションで働いている人、これから考えている人は、どんな形に落ち着くかを注視しておきたいところです。

前の号:通所リハの中身と、退院前カンファレンス

【2026年10月第3週】業務効率化に取り組む病院を国が認定へ、リハ職の記録時間も目標に →

今号を通して見えること

今号は、リハ職の仕事の土台が動き始めた週でした。1本目は仕事を決めている法律そのもの、2本目と3本目は、在宅で働くリハ職の訪問の形です。

法律ができた約60年前、リハビリは病院の中のものでした。今は家の中、地域、刑務所まで、リハ職がいる場所は広がっています。現場が先に広がり、制度があとから追いかけている。訪問リハや訪問看護の見直しも、その流れの中にあります。

どれもまだ途中の段階ですが、課題はあっても職域は広がりつつある。法改正のWGの議論も含めて、引き続き追いかけていきます。

自分のキャリアに引きつけて読む

今号の内容に関連して、選択肢を整理した記事です。

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