転職ノウハウ

病院から訪問リハへの転職
体験者のリアルな声と、転職で押さえたいコツ

最終更新:2026年10月14日

病院で経験を積んで、そろそろ訪問に。そう考えたとき、「きつい」「後悔した」という声が気になる人は多いと思います。

実際に病院から訪問に移った人の体験談を読むと、つまずきの多くは訪問そのものより、事業所ごとの違いから来ていました。何が変わるのか、どこでつまずきやすいのか、職場ごとの差をどう見分けるのかをまとめました。

病院から訪問に移ると変わること

リハビリの知識や技術は、病院でも訪問でも同じように使えます。大きく変わるのは、働く場所と、関わる人です。

その人の家に上がる

当たり前のことですが、訪問ではリハビリの場所がその人の家です。こちらが迎える側ではなく、お邪魔する側になります。靴の脱ぎ方や置く荷物の場所ひとつにも、病院とは違う気づかいが要ります。

限られた条件の中で工夫する

部屋の広さ、ベッドがあるかどうか、使える道具。病院や施設のように平行棒や訓練用の設備はありません。その家にある椅子や段差、手すりの代わりになるものを使って、何ができるかを考えるアイデアが求められます。

ご本人だけでなく、家族との関係も作る

家で一緒に暮らしているのは家族です。リハビリの内容を続けてもらうにも、家族の協力が欠かせません。ご本人と家族、両方との信頼関係を少しずつ作っていく仕事でもあります。

一人で判断する

訪問先には、基本的に一人で入ります。利用者さんの体調がいつもと違う、転んでいた。そんなとき、病院のようにすぐ隣に医師や看護師はいません。その場で判断して、必要な人に連絡するのは自分です。

移動と時間の調整がある

1件ごとに移動があり、次の訪問の時間が決まっています。ちょっと話が長くなった、帰り際に家族から相談を受けた。そんなことで時間が押して慌てるのは、訪問ではよくあることです。

「きつい」「後悔した」と言われるのはどこか

掲示板やブログで、病院から訪問に移った人が書いている体験談から、多かったものを6つにまとめました。

1病院のやり方がそのまま通じない

回復期に長くいた人ほど、機能ばかりに目が行ってしまうという声があります。病院のルールに沿った生活と、自宅での自由な生活は違います。生活を知ること自体が評価の始まりだと気づくまで、2か月ほどかかったという人もいました。

2急変や「出てこない」ときの怖さ

訪問したのに利用者さんが玄関に出てこない。急に体調が変わった。一人で向き合う場面の不安は、体験談で一番多く出てくる話です。

3顔の見えない相手との連絡

病院なら院内を歩けば情報が集まりました。訪問では、ケアマネジャーや福祉用具の業者と、電話やファックスでやり取りすることが増えます。書類が多いと感じる人もいます。

4移動で体力を使う

夏の暑さ、冬の雪や雨の中での移動は、件数が多い日ほどこたえます。移動に20〜30分かかる地域では、件数がそのまま負担になります。

5一人の時間が長い

訪問と移動を一人で繰り返すので、事業所に戻るまで誰とも話さない日があるという声もあります。

6面接で聞いた話と違った

社用の携帯やタブレットが出ない。直行直帰できると聞いていたのに、事務所に戻る必要があった。同行の指導がほとんどないまま一人で回ることになった。こうした食い違いで、早く辞めてしまったという相談もありました。

1〜5は、訪問という働き方そのものから来るものです。慣れや工夫で軽くなっていくものでもあります。6は職場選びで避けられるものです。次の「事業所で変わる6つ」で詳しく書きます。

移ってよかった、という声

訪問に移ってよかったという声は、仕事のやりがいと、働き方の両方から出てきます。

やりがい

  • 家の中の段差や台所など、実際の生活の場面でリハビリができる
  • 同じ人を長く担当するので、生活が変わっていく様子が見える
  • 回復期で、退院した人が家で寝たきりや閉じこもりになるのを見てきた。その先に関わりたかった
  • 病院では、リハビリを望まない人にもリハビリを行う場面がある。訪問は、望んでいる人と向き合いやすい

病院では見えなかった「退院したあと」の生活に、直接関われる。訪問ならではのやりがいです。

働き方

頑張りが収入に反映されやすい

件数に応じた手当がある職場では、病院より収入が高くなることも多いです。昇給の幅が小さい病院から、収入を上げたくて訪問に移る人もいます。

働く時間の融通がききやすい

訪問の予定を組んで働くので、午前だけ、週3日だけといった働き方がしやすい職場があります。パートで働きたい人や、子育てと両立したい人には、病院より合わせやすいことが多いです。

給料の仕組みや働ける時間は、事業所によって違います。次の「事業所によって大きく違う6つ」で、確かめ方をまとめています。

事業所によって大きく違う6つ

同じ訪問リハでも、職場によって働き方はかなり違います。後悔したという体験談の多くは、ここを入る前に確かめられていなかったことから来ていました。見学や面接で聞くときの例と一緒にまとめます。

1同行訪問の期間

最初は先輩の訪問に同行して、慣れてから一人で回るのが一般的です。ただ、その長さは職場によって違います。半年かけて一人立ちすることを目標にしている事業所もあります。

確かめ方

「中途で入った方は、どのくらいの期間、同行してから一人で回っていますか。」

2困ったときの相談先

一人で訪問していても、一人で抱えなくていい体制があるかどうか。看護師や先輩にすぐ電話できるか、事務所で共有する時間があるかで、安心感が大きく変わります。

確かめ方

「訪問先で判断に迷ったときは、どなたに連絡することが多いですか。」

31日の件数と移動手段

理学療法士の掲示板で8時間勤務の1日平均件数を聞いた投票では、4〜5件が30%、7〜8件が26%と、大きく分かれていました。車・自転車・バイクのどれで回るか、移動にかかる時間も合わせて聞くと、1日の流れが見えます。

確かめ方

「1日の件数は平均でどのくらいですか。移動は何で、1件あたり何分くらいですか。」

4記録を書く場所

訪問先の近くでタブレットに入力する職場と、事務所に戻ってまとめて書く職場があります。直行直帰ができるかどうかにも関わります。

確かめ方

「記録は、どこで、どの時間に書くことが多いですか。」

5給料の仕組み

固定給の職場もあれば、件数に応じて上乗せがある職場、件数で大きく変わる職場もあります。件数で変わる場合は、利用者さんの入院やキャンセルがそのまま給料に響きます。

確かめ方

求人票で確認する。分からないところは、聞ける人に任せる(下で説明します)

6リハ職の人数と、続いている年数

訪問看護ステーションでは、リハ職が少なく相談相手が限られることがあります。入れ替わりが激しい職場は、教育や体制に何か理由があることも多いです。

確かめ方

「リハビリのスタッフは何名いらっしゃいますか。長く勤めている方はどのくらいいますか。」

見学で聞くことや逆質問の考え方は、施設見学・面接の逆質問で聞くことにもまとめています。

向いている人、準備しておくと楽なこと

  • 決まった型より、その場にあるもので工夫するのが楽しいと思える
  • ご本人や家族と話す時間を大事にできる。そのうえで、次の予定に合わせて切り上げる声かけを持っておく
  • 迷ったら早めに相談する、と決めておく。「一人でいる」ことと「一人で抱える」ことは別
  • 介護保険の仕組みや、ケアマネジャーの役割を一度おさらいしておく

病院で積んだ経験は、訪問でも土台になります。病院のやり方を一度手放して、その人の家と生活に合わせて組み立て直す。それができれば、病院での経験はそのまま強みになります。

求人票に出ないことは、聞ける人に任せる

給料の仕組み、PTが何年くらい続いているか、前の人が辞めた理由。訪問の事業所はスタッフの人数が少ないことも多く、見学や面接の場では聞きにくいことがあります。

そうしたことは、職場の内側を知っている人に聞くのが確実です。転職エージェントは、求人票に書かれていない職場の事情を把握していることがあります。

PR

レバウェルリハビリ

PT・OT・ST専門の転職支援。17,000件以上の施設取材をもとに、職場の良い点も大変な点も教えてもらえます。同行訪問の期間や1日の件数など、求人票では分からないことを先に確かめてもらう使い方もできます。

レバウェルリハビリを見る

※ 施設取材の件数は、レバウェルリハビリの公式サイトの表記によります(2026年10月10日に確認)。

参考にした体験談

※ いずれも個人の体験談です。2026年10月14日に確認しました。掲示板の投票は回答した人の傾向で、全国の平均ではありません。

あわせて読む