【2026年8月第1週】リハビリ業界ニュースまとめ4選
|PT・OT・STに影響する最新動向
リハビリ職のキャリアに影響しそうな業界の動きを、出典付きでまとめてお届けする連載です。今回は、8月から実務が変わる経過措置の終了、骨太の方針の閣議決定、そして新しい職域につながる2つの動きを取り上げます。各ニュースの「起こりそうな変化」は現時点での見立てであり、確定した将来予測ではありません。
2026年7月29日
01回復期リハ病棟入院料1などの経過措置が7月末で終了、8月から新基準
令和8年度診療報酬改定で実績指数の基準が引き上げられましたが、令和8年3月31日時点で届出済みの病棟には「7月31日までは引き上げ後の新基準を満たしているものとみなす」経過措置が設けられていました。この経過措置が7月末で終了します。
対象は回復期リハビリテーション病棟入院料1と特定機能病院リハビリテーション病棟入院料。8月1日から新基準が完全適用され、基準を満たしていない場合は算定できなくなります。
届出の提出期限は8月12日(水)必着。期限内に提出され月末までに審査が完了すれば、8月1日に遡って算定できるとされています。
🔭 起こりそうな変化
8月以降、回復期の現場では「実績指数」への関心が一気に高まる可能性があります。FIM評価の精度や退院支援の進め方について、これまで以上に細かく求められる場面が出てくるかもしれません。自分の病棟がどの入院料を算定していて、基準を満たせているのか。今は職場の方針を知る良いタイミングです。
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2026年7月21日
02骨太の方針2026が閣議決定、「効果的な訪問リハビリテーションの充実」が追記
政府は7月21日、「経済財政運営と改革の基本方針2026」(骨太の方針)を閣議決定しました。
6月30日に示された原案から変わった点として、脚注に「効果的な訪問リハビリテーションの充実を含む」という文言が新たに追加されました。
「攻めの予防医療と疾病対策」の項目には、原案どおり「予防・医療・介護を通じた切れ目のないリハビリテーション」の推進が明記されています。
🔭 起こりそうな変化
原案の段階では入っていなかった訪問リハが、決定版でわざわざ書き加えられました。政府の重点施策に名前が載ることは、予算や制度設計の根拠になります。訪問リハの求人・待遇は中期的に追い風を受けるかもしれません。
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2026年7月23日
03日慢協が「転倒リスク健診」を提言、PT・OTが評価を担う構想
日本慢性期医療協会が2026年7月23日の定例記者会見で、「骨折・転倒を防ぐ攻めのリハビリ」と題した4つの提言を発表しました。
提言の柱は、①身体機能・生活環境・栄養・服薬・骨粗鬆症を総合的に評価する高齢者への「転倒リスク健診」の導入、②その担い手として理学療法士・作業療法士を「要介護前の転倒リスク評価を担う専門職」と位置づけること、③自宅写真・動画からリスクを抽出するICT・AIを活用した自宅環境評価の簡便化、④要介護になる前の予防的リハビリを評価する制度の創設、の4点です。
背景として、2022年国民生活基礎調査で介護が必要となった主な原因のうち「骨折・転倒」が女性で27%(複数回答)にのぼることが挙げられています。健診で「リスクあり」と判定された人には、短期集中リハ(外来・通所・訪問)や生活環境調整につなげる流れが構想されています。
🔭 起こりそうな変化
まだ提言の段階であり、制度化が決まったわけではありません。ただ実現すれば「健診」という、これまでリハ職にはほとんどなかった職域が生まれます。転倒リスクの評価は日々の臨床でやっていることなので、経験がそのまま活きる領域です。
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2026年7月28日
04理学療法士の「産業保健」分野への関わり方が具体化
企業の健康管理を支える産業保健分野で、理学療法士に求められる知識やキャリアの形が整理された記事が公開されました。
業務内容は「労働適応能力の評価」「作業環境改善の提案」「健康状態の管理」「治療と仕事の両立支援」など。予防の場面では作業姿勢・作業環境を評価改善する知識、休職支援の場面では賃金や就業規則といった制度の知識が必要とされています。
働き方としては正社員として企業に勤めるほか、業務委託として複数企業に関わるパターンがあります。日本理学療法士協会の調査報告書(2024年3月)では、企業の人事労務担当者に「今後、理学療法士と連携する際に考えられる雇用・契約の形態」を尋ねた設問で、業務委託契約が97%(28/29名)という結果が出ています。ただしこれは医療・福祉業を除く29名を対象とした分析であり、サンプル数はごく小規模です。あくまで「企業側が想定する形態」であって、現在のPTの働き方の内訳ではない点に注意が必要です。
🔭 起こりそうな変化
業務委託が9割以上という形は、「辞めて転職する」以外の入り方があることを示しています。今の職場で働きながら、副業・兼業として少しずつ関わり始める道も考えられます。制度知識という新しい学びが必要になりますが、動作分析という土台はすでに持っている領域です。
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今号を通して見えること
今回の4本は、大きく2つの方向に分かれています。ひとつは病院の中の基準が厳しくなる方向(経過措置の終了)。もうひとつは病院の外にリハ職の役割が広がる方向(訪問リハの明記・転倒リスク健診・産業保健)です。
臨床の現場にいると前者の圧を強く感じますが、同時に後者の道も少しずつ増えています。「今の職場でどう乗り切るか」と「別の場所という選択肢もある」を、両方持っておけると気持ちに余裕が生まれるかもしれません。
自分のキャリアに引きつけて読む
今号の内容に関連して、選択肢を整理した記事です。
制度が変わっても、動けるかは準備次第
働ける場所や役割が広がっても、「制度上は可能になった」で止まることは少なくありません。
臨床の学び直しも、臨床の外で使えるスキルも、いまはオンラインで学べます。
業界ニュースまとめは毎週更新しています。
次号もキャリアに関わる動きを厳選してお届けします。