PT・OT・STの給料は本当に低い?
平均年収の推移・経験年数別・時給をデータで解説
「リハビリ職の給料は低い」とよく言われます。実際のところはどうなのか。厚生労働省の統計を原典のExcelまでさかのぼって、平均年収・6年間の推移・経験年数による伸び方・パート時給・全産業との差を整理しました。
最終更新:2026年9月15日(令和7年賃金構造基本統計調査・2026年3月公表の数値)
この記事の結論(令和7年の数値)
- ✓リハビリ職の推定年収は443.6万円。令和2年の418.9万円から上がってきたが、令和7年は初めて前年を下回った
- ✓全産業の同年代(35〜39歳)は556.7万円。約113万円の差がある
- ✓経験15年以上でも月給は34.1万円。専門職全体との差は、経験を積むほど広がる
- ✓パートの時給は平均1,993円
リハビリ職の平均年収(令和7年)
もっとも信頼できる公的データは、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」です。約28万人(推計)のリハビリ職の給与をもとにした、国の統計です。
📌 重要:この統計では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士が1つの区分にまとめて集計されています。PT・OT・STそれぞれの「公式な平均年収」は国の統計には存在しません。職種ごと・地域ごとの給与の目安は、都道府県別の求人データで補足しています。
| 月収 | 年間賞与 | 推定年収 | 平均年齢 | |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 31.0万円 | 71.7万円 | 443.6万円 | 36.2歳 |
| 男性 | 32.5万円 | 76.7万円 | 466.8万円 | 36.7歳 |
| 女性 | 29.3万円 | 66.1万円 | 417.3万円 | 35.5歳 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・職種(小分類)第1表(産業計・企業規模10人以上)。月収は残業代などを含む「きまって支給する現金給与額」。推定年収は「月収×12+年間賞与」で算出。
平均年収の推移(令和2年〜7年)
同じ計算方法で6年分を並べると、年収は令和2年から少しずつ上がってきました。ただし令和7年は令和6年をわずかに下回り、この期間で初めてのマイナスになっています。月収は下がった一方で賞与は増えており、平均年齢も上がっているため、「給料が下がった」と単純には言えない点に注意してください。
| 調査年 | 推定年収 | 前年差 | 月収 | 年間賞与 | 平均年齢 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和2年 | 418.9万円 | ― | 29.1万円 | 70.2万円 | 33.9歳 |
| 令和3年 | 426.5万円 | +7.6万円 | 29.6万円 | 71.3万円 | 35.1歳 |
| 令和4年 | 430.7万円 | +4.2万円 | 30.1万円 | 69.8万円 | 34.7歳 |
| 令和5年 | 432.5万円 | +1.8万円 | 30.1万円 | 71.4万円 | 35.6歳 |
| 令和6年 | 444.2万円 | +11.7万円 | 31.1万円 | 70.5万円 | 35.5歳 |
| 令和7年 | 443.6万円 | -0.6万円 | 31.0万円 | 71.7万円 | 36.2歳 |
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和2年〜令和7年 各年の職種(小分類)第1表(男女計)。令和2年調査から調査方法が変わったため、それ以前の年とは比較していません。
全産業と比べると?
同じ統計・同じ計算方法で全産業と比べると、リハビリ職(443.6万円)は全産業(545.6万円)より約102万円低い水準です。全産業のほうが平均年齢が8歳ほど高いので、年齢をそろえて35〜39歳で比べても556.7万円で、差は縮まりません。
※ 全産業は令和7年賃金構造基本統計調査 産業大分類 第1表(産業計・民営事業所・一般労働者)。年収はいずれも「月収×12+年間賞与」。スケール上限600万円。
「全産業平均は約460万円」という数字を見かけたら:それは国税庁の「民間給与実態統計調査」の数字で、パートやアルバイトも含めた平均です。フルタイムのリハビリ職と並べると差が小さく見えてしまうため、この記事では同じ統計どうしで比べています。
経験を積むと、給料はどれくらい上がる?
同じ統計には、経験年数ごとの給与もあります。リハビリ職を含む大きなくくり「専門的・技術的職業」全体と並べると、スタート時点で月6万円ほど低く、経験15年以上では約10万円まで差が広がります。
経験0年
経験1〜4年
経験5〜9年
経験10〜14年
経験15年以上
| 経験年数 | リハビリ職 | 専門的・技術的職業 | 差 |
|---|---|---|---|
| 0年 | 24.5万円 | 30.8万円 | −6.3万円 |
| 1〜4年 | 25.9万円 | 32.2万円 | −6.3万円 |
| 5〜9年 | 28.8万円 | 34.7万円 | −6.0万円 |
| 10〜14年 | 30.4万円 | 38.4万円 | −8.0万円 |
| 15年以上 | 34.1万円 | 43.8万円 | −9.7万円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・職種 第14表(小分類)・第15表(大分類)、男女計。金額は残業代などを含まない「所定内給与額」のため、上の月収とは一致しません。
伸びが緩やかな背景には、収入の土台が診療報酬・介護報酬という国が決める価格で、1人のセラピストが生み出せる売上に上限がある、という業界の構造があると考えられます。
パート・非常勤の時給
パートなど短時間で働くリハビリ職の平均時給も、同じ統計で公表されています。平均年齢は43.0歳、1日あたりの勤務は平均5.8時間です。
全体
1,993円
男性
2,250円
女性
1,871円
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」短時間労働者・職種(小分類)第1表(1時間当たり所定内給与額)。この統計もPT・OT・STは合算です。
それでも、年収は「職場選び」で変わる
業界全体の水準は確かに高くありません。しかし、同じ資格・同じ経験でも、職場が変われば年収が大きく変わるのがリハビリ職の特徴でもあります。
実際、厚生労働省の「令和7年雇用動向調査」によると、転職した人のうち40.8%が前職より賃金が増加し、28.2%は1割以上増えています(全産業・全職種の数値)。「今の職場の給与水準が、たまたま業界平均より低かっただけ」というケースは決して珍しくありません。
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まとめ
- ✓リハビリ職の推定年収は443.6万円(令和7年)。国の統計ではPT・OT・STは合算。
- ✓令和2年から上がってきたが、令和7年は初めて前年を下回った。
- ✓全産業の同年代より約113万円低く、経験を積むほど専門職全体との差は広がる。
- ✓パートの平均時給は1,993円。
- ✓ただし職場を変えれば年収は変わる。転職した人の約4割が賃金アップしている。
出典
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
- e-Stat「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」(第1表・第14表・第15表)
- e-Stat「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類」(第1表)
- e-Stat「令和7年賃金構造基本統計調査 短時間労働者 職種」(第1表)
- 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」
数字は原典のExcelから転記し、2026年9月15日に確認しました。ほかの一次データはデータで見るにまとめています。