理学療法士3年目の現在地
給料の段差はどこにあるか、動く前に何を確かめるか
最終更新:2026年9月16日
3年目になると、後輩がつきます。実習生も回ってきます。
同時に、自分の給料がこの先どう上がるのかも、だいたい見えてきます。
見えたうえで「このままでいいのか」と考え始めるのが、たぶんこの時期です。
変わるのは仕事の中身より、立ち位置
やっていること自体は、2年目とそんなに変わりません。評価をして、プログラムを組んで、記録を書く。
変わるのは、自分の患者さんだけ見ていればよかった状態が終わることです。 後輩の質問に答える。実習生のレポートを見る。新人が困っていたら手を貸す。
誰に来るかは、その年の新人の数と、上の世代が何人いるかでも決まります。 上が薄い職場なら、3年目に指導が回ってきます。
それに加えて、仕事ができる人ほど振られる量が増えます。 任されるのは信頼されている証拠でもあるのですが、3年目はまだ断りにくい立場です。 結果として、自分では仕事量をコントロールできないまま抱えることになります。
しかも同じ時期に、自分のやりたいことも見えはじめます。 もっとこの分野を診たい。この勉強をしたい。 振られる仕事と、やりたいことのあいだに差が出てくる。 3年目がしんどくなるとしたら、だいたいここです。
給料の段差は「5年目」にある
経験年数ごとの給料は、国の調査で公表されています。 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士をまとめた区分の数字です。
経験年数別の所定内給与(月額)
- 経験0年24.5万円
- 経験1〜4年← 3年目はここ25.9万円
- 経験5〜9年28.8万円
- 経験10〜14年30.4万円
- 経験15年以上34.1万円
令和7年賃金構造基本統計調査(職種 第14表・第15表・男女計)。 所定内給与なので、残業代と賞与は含みません。毎年6月分の調査です。
3年目は「1〜4年」の枠の中にいます。 次の段差は5年目以降で、その差は月に約2.8万円。
逆に言うと、3年目から4年目にかけては、同じ枠の中を動くことになります。 仕事が増えた実感と、明細の数字が噛み合わない時期があるのは、そういう形になっているからです。
ただしこれは全国の平均です。自分の職場の昇給額は、就業規則か給与規程に書いてあります。全体の平均年収や推移はこちらにまとめています。
「とりあえず3年」は誰が決めたわけでもない
3年は区切りとしてよく言われます。ただ、3年未満で辞めると不利になるという決まりがあるわけではありません。
面接で見られるのは、在籍した長さそのものより、 辞める理由と次に行く理由がつながっているかどうかです。
PTに多い退職理由と、面接での伝え方はこちら。本音を隠すのではなく、前向きな形に置き換える話をしています。
3年目で見えてくる4つの方向
何がやりたいかは、学生のうちには決まりません。3年やって、ようやく輪郭が出てきます。 だいたい次の4つに分かれます。
とにかく現場を続けたい
患者さんを診る時間を減らしたくない。この場合に効いてくるのは分野の選び方です。急性期なのか、回復期なのか、在宅なのか。どこで深めるかを自分で選んでいくことになります。
役職に進む
主任や係長になると、見る対象が自分の患者さんから病院や施設全体に変わります。人の配置やシフト、部門の数字に貢献する仕事です。
研究・教育に関わる
学会発表、養成校の非常勤、実習指導者。ここは職場の理解と方針に大きく左右されます。時間を出してくれる職場かどうかで、できることがまるで変わります。
生活を優先する
結婚、出産、介護、住む場所。生活環境のほうが第一優先になる時期は誰にでもあります。仕事の中身より、勤務時間と通勤距離が先に決まります。
どれが正解ということはありません。 ただ、それぞれに適した職場はあります。 研究をやりたい人が、症例数は多いけれど学会に出す文化のない職場にいると進みません。 生活を優先したい時期の人が、365日体制の病院にいると噛み合いません。
動く前に、職場で確かめておく3つ
辞めるかどうかを決める前に、今の職場について分かることがあります。 全部、転職活動をしなくても調べられます。
1. 上の4つの道の前例が、今の職場にいるか
主任になった人、学会に出ている人、育休から戻って続けている人。ひとりもいないなら、その道はこの職場では開いていないということ。
2. 昇給額と賞与の決まり方を、自分で説明できるか
毎年いくら上がるのか。賞与は何ヶ月分で、何によって変わるのか。答えられないなら、5年後の想像は当てずっぽうになる。
3. 後輩指導の分が、評価か手当に乗っているか
指導は時間を取られる仕事。乗っていないなら、負担だけが増えて数字は変わらない状態が続く。
外を見てみる場合
3年目は、求人を見るだけならいちばん気楽な時期でもあります。 即戦力として扱われはじめる一方、まだ「育てる前提」で採る職場も多いからです。
すぐ辞めるつもりがなくても、条件の相場を知っておくと、 今の職場の昇給が速いのか遅いのかが分かります。
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