言語聴覚士(ST)の転職失敗例7つ
後悔しないための確かめ方と、データで見るSTの転職事情
最終更新:2026年10月29日
転職したのに、また同じ悩みを抱えてしまった。言語聴覚士(ST)の転職には、PT・OTとは少し違う落とし穴があります。
STは求人が少なく、職場によって配置人数も業務の中身も大きく変わります。まずデータでSTの転職事情を確かめてから、よくある失敗例7つを、見学や面接での確かめ方つきでまとめました。
データで見るSTの転職事情
ST求人は、PTの約半分
同じ転職サイトで、職種ごとの掲載求人数を比べました。
理学療法士
30,742件
作業療法士
27,418件
言語聴覚士
14,885件
※ PTOT人材バンク公式サイトの掲載求人数(2026年10月10日に確認)。サイトによって数え方が違うため、ほかのサイトの数字とは比べられません。各社の数字はST向け転職サイトの比較にまとめています。
少ないとはいえ、選択肢がないわけではありません。問題になりやすいのは、焦って比べずに決めてしまうことと、地域によって求人が偏っていることです。
1年で辞めたSTは9.0%。理由は「人として配慮されているか」
全国の病院などで働くPT・OT・ST 1,701名を1年間追った研究では、ST 234名のうち21名(9.0%)が1年以内に辞めていました。PTやOTとほぼ同じ水準です。
同じ研究で、STの離職と特に強く結びついていたのは次の項目への不満でした。
- 自分の個人的な事情への配慮
- 自分の仕事に対する上司の評価
- 自分の職種としての達成感
給料や業務量よりも、STとして認められ、事情をわかってもらえる職場かどうか。人数の少ない職種だからこそ、そこが続けられるかを左右しているようです。詳しくはPT・OT・STの離職率にまとめています。
STの転職でよくある失敗例7つ
どれも、入る前に確かめていれば防げたものです。失敗ごとに、確かめ方と聞き方の例をつけました。
1求人の少なさに焦って、条件を確かめずに決めた
よくある失敗
「次が見つからないかも」と焦って、最初に出会った求人に決めてしまう。入ってから、休みや働き方が合わないことに気づく。
確かめ方
求人は2〜3社のサービスで集め、最低2つの職場を比べてから決める。比べる相手があると、条件のよしあしが見えてきます。
2「1人ST職場」だと知らずに入った
よくある失敗
入ってみたらSTは自分だけ。判断に迷っても相談できる先輩がおらず、評価や訓練の方針を一人で抱え込んでしまう。
確かめ方
STの人数と、困ったときの相談先を聞いておく。1人職場が悪いわけではありません。法人内のほかの施設のSTとつながれるか、外部の研修に出やすいかで、働きやすさは大きく変わります。
聞き方の例
「STは何名いらっしゃいますか。判断に迷ったときは、どなたに相談することが多いですか。」
3やりたい領域と、実際の業務がずれていた
よくある失敗
失語や高次脳機能に関わりたかったのに、入ってみたら嚥下の評価と食事の場面がほとんどだった。小児をやりたかったのに、成人が中心だった。
確かめ方
成人か小児か、嚥下・言語・高次脳機能・聴覚のどれが多いかを、具体的に聞く。「いろいろやっています」で終わったら、1日の担当の内訳を聞き直す。
聞き方の例
「ST業務のうち、嚥下・言語・高次脳機能の割合はどのくらいですか。」
4STの仕事以外の業務があると思っていなかった
よくある失敗
送迎や介助、レクリエーション、受付など、STの専門外の仕事が想像以上に多かった。とくに介護分野や小規模な職場で起きやすい失敗です。
確かめ方
ST業務以外に担当する仕事があるかを、見学のときに確かめる。業務の内容そのものより、事前に知っていたかどうかで納得感が変わります。
聞き方の例
「ST業務のほかに、担当していただくお仕事はありますか。」
5記録や会議の時間を考えていなかった
よくある失敗
求人票の勤務時間は定時なのに、評価のまとめや記録、カンファレンスで毎日のように残っている。
確かめ方
記録をいつ書いているか、会議や勉強会は勤務時間の中かを聞く。STは評価や書類に時間がかかりやすい職種です。
聞き方の例
「記録や書類は、どの時間に書くことが多いですか。」
6辞めてから探して、長引いて妥協した
よくある失敗
先に退職して転職活動を始めたら、思ったより決まらない。収入がない焦りから、条件の合わない職場に決めてしまう。
確かめ方
できるだけ在職中に探し始める。忙しくて動けない場合は、求人探しや日程調整を転職サービスに任せる方法もあります。
7口頭の説明だけで決めて、書面を確かめなかった
よくある失敗
面接で聞いた勤務日や給料、休みが、入ってみたら違っていた。口約束だったので、確かめようがない。
確かめ方
内定のあとに受け取る労働条件の書面(労働条件通知書や雇用契約書)で、勤務日・給料・休日・社会保険を確かめる。求人票や面接の説明と違えば、入職前に聞き直します。
見学や面接で聞くことは、施設見学・面接の逆質問で聞くことにもまとめています。
失敗の多くは「比べずに、確かめずに」決めたことから起きる
7つの失敗を見ていくと、ほとんどが「比べる相手がいなかった」か「入る前に確かめなかった」に行き着きます。求人が少ないSTこそ、焦らず2つ以上の職場を比べ、人数・業務の中身・書面の条件を確かめてから決めるのが一番の近道です。
面接の場で退職理由をどう伝えるかは、STの退職理由と面接での言い換え方を参考にしてください。
聞きにくいことは、聞ける人に任せる
STの人数、前の人が辞めた理由、STの専門性が職場でどう扱われているか。気になるけれど、見学や面接では聞きにくいこともあります。そうした職場の内側の事情は、施設を直接取材している転職エージェントが把握していることがあります。
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レバウェルリハビリ
PT・OT・ST専門の転職支援。17,000件以上の施設取材をもとに、職場の良い点も大変な点も教えてもらえます。「STは何人いるか」「やりたい領域の業務があるか」を先に確かめてもらう使い方もできます。
レバウェルリハビリを見る※ 施設取材の件数は、レバウェルリハビリの公式サイトの表記によります(2026年10月10日に確認)。
ST向けの転職サービスを比べたい人は、ST向け転職サイトの比較へ。
出典
- 澤田辰徳ほか「リハビリテーション職種の職務満足度の特性と離職リスクにおける縦断研究」作業療法44巻1号(2025年)
- PTOT人材バンク 公式サイトの職種別掲載求人数(2026年10月10日に確認)