「なんとなく仕事がつらい」「このまま続けていいのかな」と感じながらも、それが転職を考えるほどのことなのか判断できない——そんな方は多いのではないでしょうか。
ここでは、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が職場でよく感じている悩みを5つ取り上げます。「自分だけじゃなかったんだ」と思えるだけで、少し楽になることもあります。
PT・OT・STの平均年収は約400〜430万円といわれています。国家資格を取得するために3〜4年間の専門教育を受け、厳しい臨床実習を乗り越えた割には、同年代の他職種と比べて給与水準が高くないと感じている方が多いのが実情です。
さらに、認定理学療法士などの専門資格を取得しても、給与に明確に反映されないケースがほとんど。協会費・研修費でむしろ出費が増える、という声も珍しくありません。
「手取りが20万円台のまま何年も変わらない」「資格を取れば給与が上がると思っていたが、そんなことはなかった」——こうした感覚は、転職を考えるきっかけとして最も多く挙がる理由の一つです。
病院や施設では、1日あたりの単位数(介入時間)にノルマが設けられていることがあります。20単位前後を毎日求められると、書類業務や移動時間を含めた実務はほぼ限界に近い状態になります。
患者さんのことを考えたり、次のリハビリの準備をする時間がほとんど取れない。気づくと「ベルトコンベアのようにこなすだけ」という感覚になってしまう——これはリハビリ職に特有の疲弊感です。
「この仕事でやりたかったことって、こういうことだったっけ?」と感じはじめたとき、多くの方が職場や働き方を見直すきっかけになっています。
リハビリ職は管理職のポストが少なく、昇給のペースも緩やかです。「係長」「主任」「科長」程度の選択肢しかない職場がほとんどで、スペシャリストとして認定資格を取得しても、それが給与に反映される仕組みが整っていないケースが多いです。
「5年働いて、給与がほとんど変わっていない」「同じことの繰り返しで、何が積み上がっているのかわからなくなった」という声は、3〜5年目のリハビリ職に特によく聞かれます。
成長や変化を感じにくくなったとき、転職・資格取得・キャリアチェンジなど、次のステップを考えはじめる人が増えています。
病院や施設は、限られたメンバーで長期間働く閉じた環境です。リハビリ部門内の先輩・後輩関係、あるいは医師・看護師・ソーシャルワーカーとの多職種連携の中で、ストレスが生まれやすい構造があります。
「先輩のやり方に異を唱えるのが難しい空気がある」「リハビリ部門の意見が、なかなか病棟に届かない」といった声も多く聞かれます。
特に言語聴覚士(ST)は、病院内での人数が少ないため孤立しやすく、業務内容が周囲に理解されにくいという独特の悩みもあります。
閉塞感が続くと、転職して「環境をリセットしたい」と感じるのは自然なことです。
PT・OTの数はこの10年で約2倍に増加しており、2040年頃には供給が需要の約1.5倍になると厚生労働省が推計しています。求人数は減らないものの、条件や待遇の向上が難しくなりつつある状況です。
「求人はあるけど選べない」「どこも給与が横並びで、上を目指しにくい」という感覚が広がっています。
こうした業界全体の構造的な問題から、「リハビリ職としての専門性を活かしながら、別のフィールドで働けないか」と考えはじめる方も増えています。医療機器・製薬・ITヘルスケアなど、リハビリ職の知識が活かせる職種は確実に広がっています。
悩みを感じたら、まず「何が原因か」を整理してみよう
職場の悩みは、大きく「今の職場特有の問題」と「業界・職種全体の構造的な問題」に分けられます。
前者(職場特有)であれば、転職して環境を変えることで解消できる可能性が高いです。後者(構造的な問題)であれば、同じ職種で転職しても根本的な解決にはならず、キャリアチェンジを含めた選択肢を考える必要があるかもしれません。
どちらの悩みかを見極めることが、次のステップを考えるうえで大切な出発点になります。